放射線科では、一般撮影(FCR)、CT(16列)、MRI(1.5T)、透視撮影、
骨塩定量(DXA)などの業務を扱っています。 平成22年にPACSと呼ばれる画像保管システムを導入し、フィルムレス化となり、
豊富な情報の安全な保管、管理が可能となりました。
また、同時期に、透視装置を更新し、FPD(フラットパネルディテクタ)と呼ばれるデジタルラジオグラフィーを導入しました。
骨密度測定装置も導入し、腰椎と股関節の両方を測定することにより、より正確な骨密度の測定ができるようになりました。
平成24年にはMRI(1.5T)を新規導入し、CTを16列に更新しました。 撮影を行なう放射線技師も適切な撮影を心がけ、接遇マナー、撮影技術の向上に努力しています。
2012年6月初頭に、原発事故の放射線による健康被害対策を目的に創設いたしました。
中でも過去のデータが乏しく、健康への被害予知が難しい放射線内部被ばくへの対策と予防を行っております。
具体的には、相馬市より測定依頼された全身内部被ばく測定器(WBC; whole body counter)(写真参照)により、
内部被ばく量を測定しております。検査希望者は、相馬保健センターでの検査申し込みが必要です。当院で用いているWBCは、
米国キャンベラ社の最新式測定器であり、すべての放射線核種由来のガンマ(γ)線を極めて短時間(2分間)で測定します。
測定は迅速簡便ですが、服衣に吸着した放射線の影響を避けるために測定着(浴衣風)に着替えて測定します。
測定中は、機器内の所定空間に立位で居るだけです。相馬市在住の方であれば、すべての人が検査可能です。
この機器は、成人向けに設計されているため、ある程度の身長が必要ですが補助台で小児も測定可能です。乳児は体格が小さいため、この器械では測定不能ですが、食生活を共にしている母親を測定する事でかなり正確な精度で乳児の内部被ばく予想できる事が経験上分かっています。
相双地区では、WBC測定限界(Cs134/137 約250 Bq/Kg ≒ 0.02 mSiv/年 )を超える内部被ばくが、
2011年度では検査対象者(約一万名)中、35%程度おりましたが、2012年度には5%程度となりました。
また2012年6月以降当院での測定でも、同様の5%程度の頻度でした。
また就学児童では、99%が測定限界以下でした。しかし想定外のホットスポットの出現による放射線汚染の可能性は否定できないため、
継続的かつ定期的な内部被ばく測定は必須です。
相馬市では、就学児童(小中学生)の定期的内部被ばく検診を実施しております。
また相双地区で被災直後から放射線対策を行ってきた坪倉正治非常勤医師(月、水勤務)が、放射線対策について相談する事が可能です(要予約)。
16列のCTが導入されたことによって、CTC(CTコロノグラフィー)が可能となり、炭酸ガス注入器等も導入され、 準備は整っています。ワークステーションも導入され、動脈硬化による閉塞等の検査も容易にできるようになりました。 1mmの撮影スライスにより水平断(輪切り)だけでなく冠状断、矢状断も容易に作成できより正確な診断ができるようになりました。
1.5Tの高磁場MRIの導入したことにより、頭部の血管ばかりか、腹部の血管も造影剤なしで撮影できます。 血管ばかりでなく、胆道系も造影剤なしで撮影でき、ERCP(内視鏡での造影)前後の検査として大いに役立っています。
FPD使用の最新の装置を導入することにより、17×17インチから8×10インチまでの幅広い撮影が可能となり、 拡大等もでき、高精細の透視画像により、透視下でも診断が可能となりました。